[HPE VME] VMwareバックアップ(VBK)から18分で異機種間リストア
昨今、VMwareのライセンス体系刷新を契機として、KVMベースの HPE VM Essentials(VME)および HPE SimpliVity HCI 基盤への移行や、異機種ハイパーバイザー間でのディザスタリカバリ(DR)体制を検討する企業が急増しています。 通常、同種ハイパーバイザー間の移行ではネットワーク経由のオンラインレプリケーションが一般的ですが、遠隔拠点や閉域網環境において ネットワーク帯域がわずか10Mbpsに制限されている場合、リアルタイムのネットワーク転送は物理的に不可能です。数十GBに達する仮想マシンイメージを10Mbps回線で転送するには数十時間以上を要するためです。 このような極端な制約条件下において、最も確実で実効性の高いアプローチは、既存のVMware環境で取得したVeeamのバックアップデータファイル(.vbk)とメタデータファイル(.vbm)を外付けストレージ等で物理的に持ち込み、ターゲット環境へ直接インポートしてリストアするオフラインV2V(Virtual-to-Virtual)復旧です。 本稿では、VMware vSphere上でバックアップされたWindows 10仮想マシンファイルを移行先Veeamにインポートし、KVMベースのHPE VMEクラスタへ わずか18分でブートおよびサービス復旧を完遂した実務フローと技術検証の詳細 をまとめます。 実機復旧環境サマリー 項目 移行元環境(Source) 移行先環境(Target) ハイパーバイザー VMware vSphere (ESXi) HPE SimpliVity with HPE VME (KVMベース HVM) バックアップ製品 Veeam Backup & Replication v11 Veeam Backup & Replication (VME Worker アーキテクチャ) バックアップ形式 フルバックアップデータ(.vbk)+ バックアップメタデータ(.vbm) ローカルリポジトリへ物理配置後 Import Backup ネットワーク環境 拠点間 10Mbps の極小帯域(物理複製が必須) 移行先内部の10G/25G高速ファブリック 対象ゲストOS Windows 10 Pro(VMware Tools導入済み) KVM VirtIOドライバによる正常クリーン起動 1. 10Mbps帯域の壁とオフラインバックアップ搬送戦略 回線帯域が10Mbpsに制限された拠点間では、転送遅延の観点から RPO(目標復旧時点、Recovery Point Objective) をオンラインで極小化することには物理的な限界が存在します。 ...